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Tradition

前端雅峯氏の工房風景。「日本の棗を支えているのは山中塗」との矜持を胸に、高度な技を駆使した精緻かつ美しい作品を世に送り出している。

写真/齋藤ジン

 

歴史を紡ぐ技と心にふれて

金沢、茶の湯の匠たち

地方都市でありながら、日本における美術の5大都市のひとつとして数えられる、古都・金沢。加賀前田家以来の文化・芸術を尊重する風土、更に、明治維新以降も数寄者たちが競い合うように優れた美術品を蒐集してきたという事実が、金沢を彩ってきました。
そして、この歴史を語るうえで欠かせないのが、“茶の湯”の存在。本誌『Kanon』Vol.15では、地元・金沢に愛され、自らの業や知識、経験を金沢のため、更には、土地柄や流派などの垣根を越えて広く茶の湯のために還元する、そんな金沢の匠たちにスポットを当てました。

400年以上の歴史を持つ山中塗の伝統を受け継ぐ塗師・蒔絵師の前端雅峯氏、金沢を代表する老舗漆器商『漆器 能作』の岡能久社長、大樋焼の十代大樋長左衛門氏とその後継者の大樋年雄氏、“注文販売のみ”にこだわる和菓子商『吉はし』の吉橋廣修氏、そして古美術の老舗『谷庄』と『石黒商店』。自身の仕事に誇りを持つ、匠たちの心意気を紹介します。