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金田中の女将も撮った『女たちの銀座』

「金田中」若女将・岡副徳子×写真家・稲越功一

2006年10月に刊行された写真家・稲越功一さんの写真集、『女たちの銀座』(資生堂企業文化部)。この写真集のなかにある高級料亭「金田中」の若女将である岡副徳子さんと稲越功一さんの対談です。

写真/初沢亜利

 

年齢を重ねられると、その佇まいだけで、
その方の歩いてきた人生の歴史観が伝わってきます。
〜稲越功一

やはりこのシリーズで金田中はなくてはならなかったので、いの一番にお願いしました。大女将とはタウン誌の「銀座の百点」でも対談させてもらいましたね。あんまりおしゃべりなさらない方ですが、一言ひとことがすごいと思いました。それはやはり、新橋も含めた銀座の街の歴史観というものを、ちゃんともっていらっしゃるからだと思うんです。ズシンときました。でも大女将にしても、若女将からいろんなものを吸収なさっていると思うんですよ。そういうのは相対的なものですから。おふたりの場合そのバランスがとてもいい。ひとつのチームワークですよね。年齢を重ねられると、その佇まいだけで、その方の歩いてきた人生の歴史観が伝わってきます。きれいとか美しいというのは超えてしまう。金田中にもいらっしゃった日本舞踊の井上八千代さんなんかもそうですよね。最近はああいう気骨のある方がなかなかいないですが、それを受け継いでいくことがとても大切なんです。

茶道やお香、華道、書道…、
何かひとつ極めればトータルでわかってきます。
〜岡副徳子

お茶をやっています。結婚してからなので20年くらいです。最近はお煎茶もやるようになりました。雑誌などにも出られている佃一揮先生がうちでお煎茶会を開かれることになって、お稽古していただいています。でも私の場合、20年やっているといっても、お稽古は自分がさされる前ばかり一生懸命やるだけで、全然修行ができていないんですよ…。そうですよね。それはお稽古でも同じだと思います。それに、お茶にしてもお香にしても、どれも結局すべてつながってくるんですよね。お茶をやっていればお香も必要だしお花も必要だし書道も必要だしって、すべてトータルで必要になってくる。着物の着方にしても、たちふるまいにしても、ものの上げ下げにしても、何かひとつ極めればトータルでわかってきます。


稲越功一 ● いなこし こういち

写真家。1970年、フリーランスの写真家として活動を開始。1980年、講談社出版文化賞を受賞。エディトリアルの撮影をする一方で、多くの作品集、展覧会を国内・海外にて出版・開催する。主な作品集に、『男の肖像』(集英社)、『女の肖像』(文藝春秋)、『Out of Season INAKOSHI 1969-1992』(用美社)、『Ailleurs』(フランス/コントルジュール社)、『平成の女たち』(世界文化社)、『アジア視線』(毎日新聞社)、『中村吉右衛門』(用美社)など多数。最新刊は『百一人の肖像』(求龍堂)。

 
岡副徳子 ● おかぞえ とくこ

東京を代表する花街・新ばしにある高級料亭「金田中」の若女将。